なぜ不動産テック? 業界外からのメンバー×業界内からのメンバー対談【営業 持田×杉田】
転職活動をしていると、職種だけでなく業界のことも当然気になると思います。不動産業界といえば、人によっては「激務」「体育会系」といったイメージをおもちの方もいらっしゃるかもしれません。実際のところ、不動産業界で働くとは、そしてイタンジで働くとは、どういう日々になるのでしょうか。今回は不動産業界内から転職してきて、現在は新規事業のプリセールスを担当している持田と、不動産業界外から転職していて、東日本エリアセールスマネージャーをしている杉田の両名に、当テーマについて話を聞きました。
不動産のプレイヤーは多種多様
– 持田さんは、元々まちづくりに興味があって、新卒で不動産業界に入られたんですよね。
持田「そうですね。幼いころから街を見たり、街の名前を覚えたりするのが好きで、大学でも地理を専攻していました。なので、就職をするタイミングでも、自然とまちづくりに関わる仕事を志望し、大手ディベロッパーに入社したんです。配属されたのは賃貸管理業だったのでまちづくりとは直接的には関わりませんでしたが…。5年ほど働き、これからの時代に求められているスキルセットなど考えたときに、ITと不動産を掛け合わせて事業を作っているイタンジに引かれて、転職を決めました」
– 生え抜きの業界人ですが、持田さんからみて不動産業界のイメージや実態はどう捉えていますか?
持田「そもそも『不動産業界』って、とても広いんですよね。まず不動産取引には大きく分けて“売買”と“賃貸”があり、それぞれに“仲介業務(会社)”と“管理業務(会社)”があり、それぞれやっていることもカラーもかなり違います。まずそこが不動産業界の大きな特徴ですね。ですから、『不動産業界』としてまとめて見ようとすると、齟齬が生じると思います」
– たしかに、わたしもイタンジに転職してくるまで、管理会社と仲介会社の区別がついていませんでした。
持田「もし不動産業界にがつがつしたイメージをおもちの方がいるとすると、もしかしたら売買仲介の営業マンをイメージしているのかもしれないですね。枠にはめるわけではありませんが、比較的体育会系な社風のところが多いのかもしれません。イタンジのお客様は賃貸の管理や仲介の方々で、個人的には、落ち着いた雰囲気の方が多いと感じています」
– 杉田さんは証券会社出身ですよね。どのような経緯で証券を選んだのですか。
杉田「わたしは大学入学直後からインターネットの訪問販売のバイトを始めたり、2年の終わりには人材関連で起業したりと、学業よりも仕事を楽しむ学生生活を送りました。そのまま事業を続けるか悩んでいるうちに就活のタイミングが限られてしまって、選択肢の中から、自分に一番合っていると感じた証券会社に就職しました。その後、ベンチャーで挑戦したいという気持ちが高まり、イタンジに転職しました」
– 不動産業界に飛び込んでみて、感じたことはありますか?
杉田「率直に言って証券会社はかなり厳しい世界なので、それと比べたらおそらくどこへ行っても、とても穏やかだなあと感じると思います(笑)。ただ、似ているところもあるなと思っていて、それが “不透明性” です。証券も不動産も、業界の人たちしか入れないサイトや、業界の人しか知らない知識があって、そのせいでお客様には『だまされるのではないか』『損させられるのではないか』という警戒心が生じやすいのだと思います。イタンジのサービスは、そうした情報の非対称性を解消するものなので、これらを売り、業界に浸透させることで、将来的に透明性の高い状態を実現することができると思うと、社会的意義を強く感じますね」
– 本当にそうですよね。わたしはイタンジが取り組んでいることの社会的意義の大きさに、転職して一年くらいしてようやく気がつきました(笑)
杉田「というか…そもそもの話になってしまうのですが、僕はイタンジに転職する際、不動産業界に来たという気持ちではなく、IT業界に来たという認識で…。不動産業界というのを特に強くは意識していなかったですね」
持田「そうそう、同じ! イタンジはIT企業だよね。なので自分は、業界内転職をしたという意識がなくて、IT企業についていけるかな、という不安をもちながら転職してきました(笑)。結果的にはほとんど苦労しませんでしたが」
– それは確かにそうですね。社内のやりとりもSlackで活発にしていますし、社内のさまざまな申請もほとんどすべてオンライン上で完結しますし、リモートワークやフルフレックス制度など、実態としてもIT企業そのものだと思います。
それぞれの持ち味を生かして営業アプローチ
– 持田さんは前職で賃貸管理業務を経験していますが、それが現職における武器になっていますか。
持田「お客様の課題を理解したり、お客様の共感を呼べるような経験をしていたりというのは、強みだと思います。一方で、『わたしも同じ経験をしていたからわかります!』というテンションを全面に出しすぎてしまうと、『たかだか5年の経験でしょ?』というふうに、かえって興醒めさせてしまうリスクもあって。なので、普段は自分のバックグラウンドはしまっておいて、要所要所で出す感じですね。たとえば、ふとしたときにくすっと笑えるようなあるあるネタを差し込んでみる。そこで『あれ?もしかして管理業務経験者?』と先方からつっこんでいただけると、話がぐっと盛り上がりますね」
– 持田さんは前職で営業のご経験もなかったのに、成果を出されているのはすごいです。
持田「正直、最初はすごく不安でした。営業で成果を出せるのか、自信がなくて。でも、入社当時、イタンジにはあまり不動産管理業務に詳しい人材が揃っていなかったんです。なので、そういう意味では活躍する余地がありそうだなと判断して、それが入社の決め手になりました。実際、プロダクトのキャッチアップは早々にできて、お客様のお悩みも理解できたため、最初から成約はとれていました。でも最近、杉田くんの活躍を見ていても思うのですが、不動産知識がなくとも、営業の素養があれば、あとから成長曲線はかなり角度がつくなと」
杉田「いやいや。自信がなかったのは自分も同じですね。ベンチャーに行きたいと思っていたものの、反面ベンチャーで通用するのか怖いという感情もありました」
– 誰しも思うところはあるんですね…。杉田さんは前職でも営業をしていて、業界だけ変わった形ですが、何がご自身の強みだったと思いますか。
杉田「私の場合は…業界外からだと、よくも悪くも何も知らないというのはある意味強みになっていたのかもしれないですね。先方が何を気にしているのかをフラットな気持ちでしっかりヒアリングして、イタンジのシステムだったらどう提案できるのかをよく考える。ゼロベースだからこそ、先入観をもたずに先方と正面から向き合えたと思います。今でも、話すことよりも聞くことを重視しています」
– 聞く力は、証券会社時代から培ってきたことなのですか?
杉田「いえ、それはイタンジに来てからです。証券会社では新規開拓をしていたのですが、飛び込みで初めましての人にひたすら話しかけていくという手法なので、誰も向こうからは話してきてくれないので(笑)」
– え、飛び込みでひたすら話しかけていくって…めちゃくちゃ迷惑じゃないですか?(笑)
杉田「クレームもめちゃくちゃ来るのですが、証券会社では、クレームになってからが勝負って言われますから。イタンジではクレームが来たら、もうお電話はしないじゃないですか」
持田「そりゃそうだよ!(不動産業界でそこまでの話はなかなか聞かないかな...)」
– お客様ファーストで頑張っていますよね...! ほかに、証券会社時代と今で、違いを感じるポイントはありますか?
杉田「根本的に違うのは、証券会社時代に営業していたお相手は、すでに他社様を利用していることが多いのですが、今はまったくIT化に手がついていないお客様にアプローチする場合が多いので、まず最初にITツールに対する精神的障壁を超えていただく必要があります。そこが難しさですね」
– なるほど…。手前味噌ながらイタンジのサービスってすごく便利じゃないですか。なぜ障壁があるのでしょうか。
持田「一つは、システム導入にめんどうなイメージがあると思います。管理物件や、紙で管理していたさまざまな情報を、基幹システムに入れないといけないので。ほかにも、IT化に対して “従来のやり方を否定するもの” と捉えて、精神的に気が向かないというパターンもあると思います。そういった場合は、丁寧にコミュニケーションを重ねるうちに、否定ではなく共存なのだとご理解いただけることが多いです」
杉田「漠然と、ITツールに対して難しいもの、なくてもよいもの、というイメージを抱かれている場合もあります。わたしがたまに例としてお話するのは、『ガラケーからスマホに変わったときを思い出してください。最初は難しそうだなと思っていても、使ってみたら手放せなくなったと思います』と。その上で画面をお見せしながら具体的な操作などをデモンストレーションすると、興味をもっていただきやすいです」
今がアツイ! 不動産テック業界
– お二人とも入社して2年以上が経過していますが、当時、イタンジがこのような成長曲線を描くと想像できていましたか?
持田・杉田「…いや〜、できなかったです(笑)」
持田「今不動産業界はデジタル関連法の改正もあって、かなりトレンドの領域で盛り上がってきているんですよね。コロナでリモートワークの需要が高まったこともかなりの追い風になりましたし…想像を超える成長でしたね」
杉田「それに伴い、営業組織もどんどん高い目標を追うようになって…忙しいですよね(笑)」
持田「そうだね(笑)。その甲斐あって、今や『申込受付くん』の導入社数は1,000を超え、『申込受付くん』を利用した年間WEB申込件数は約63万件も。それだけのエンドユーザーに影響を与えているということが感慨深いです」
杉田「それだけ不動産業界にDXの波が来ているんだなと実感しますし、アップセル・クロスセルの余地もまだまだたくさんあって、時間も人手も足りないです!」
– 本当にアツいフェーズにきていますよね! 最後の質問なのですが、イタンジのサービスは、Vertical SaaS*にあたります。Vertical Saasならではの楽しさや魅力があれば教えてください。
*「職種」に特化したSaaSをHorizontal SaaS(Horizontal:水平)と呼ぶのに対し、「業界」に特化したSaaSをVertical SaaS(Vertical:垂直)と表現する。
持田「業界を変える手応えを感じられるところでしょうか。Horizontalは業務を変える。Verticalは、業界を変える。そんなイメージです。また、イタンジの場合、経営陣が不動産賃貸業経験者で、自分自身苦い思いをした人たちが自分たちの経験をもとにサービスを作っています。自分もそうだからわかるのですが、当事者として『これもっとこうできるでしょ』『もっとこうしたいよね』というリアルな課題意識があって、それが如実に出てくるんですよね。そして、『絶対にこの業界を変えてやる!』という反骨精神ももっている。そんな生々しさが、おもしろいなと思います」
杉田「そうですよね。その業界が変わっていくさまを、最前線で見ることができるのがこの、営業という職種の醍醐味なのかなと。2年前に入社した当時、イタンジの知名度は今よりずっと低く、よくも悪くも非常にカオスで。売り方とかも整っていなく模索状態だったところから、電子申込をここまで広められたというのは、イタンジでなければ経験できなかったことだと思います」
持田「自分の子どもがいつか賃貸契約をウェブ上でしました、それがイタンジのサービスでしたとなったときに、『それパパが20年前に作ったやつだよ』と話すのかもしれないと思うと、夢がありますね」
– ありがとうございました! これからますます不動産DXが促進されていくなかで、イタンジではまだまだ課題や挑戦したいことも山積み。ぜひ新たな仲間たちを迎え入れて、加速させていきたいですね!
Vertical SaaSならではの魅力については、代表野口もnoteにて語っております。ぜひ併せてご高覧ください。
イタンジに興味をもってくださったら採用サイトもご覧いただけますと幸いです!