【月間PV約500万】今や不動産業者間サイトのニュースタンダード『ITANDI BB』を立ち上げたのは、当時新卒1年目社員だった!?【インタビュー】
2020年6月15日にリリースされた、イタンジによる不動産業者間サイト『ITANDI BB(イタンジ ビービー)』が、2022年9月に約500万PV(※管理画面の利用アクセスを除いたPV)に到達しました! (リリースはこちらから)
500万という膨大な数字。それだけ多くのユーザー様(不動産仲介会社様)が利用してくださっているという事実を大変ありがたく思うと同時に、『ITANDI BB』が不動産業者間サイトのニュースタンダードとなりつつあることに感慨深さと責任、そしてやりがいも一層強く感じております。
さて、今回はそんな『ITANDI BB』の立役者として、立ち上げから現在まで開発をリードするエンジニア・PdM(プロダクトマネージャー)の青木 亮平(あおき りょうへい)が語ります。なんと、ITANDI BBを立ち上げたとき、青木は新卒入社からわずか半年のタイミングだったと言います。名実ともに異端児な青木のストーリーを紹介します。
『ITANDI BB』の概要や特徴については、こちらの動画をご覧ください(3分21秒)。
新卒1年目が立ち上げたITANDI BB
2020年6月15日の立ち上げから2年3カ月。約500万PVという成果について、エンジニア・PdMの青木はどのように考えているのでしょうか。
「まず、シンプルに嬉しいです。ITANDI BBの伸びを定点観測しやすく、KPIとして設定しているのがPV数なので、成長を実感しました。今回興味深いと思ったのは、今は不動産の繁忙期(1月~3月)ではないにもかかわらず、繁忙期以上のPVを記録したということです。これは私の想像なのですが、繁忙期にITANDI BBを使ってくれていた方々が、使い勝手のよさに気づいて、利用を継続してくれたり、新たな機能を使い始めてくれたりしているのではないかと。次の繁忙期に向けて、今のうちにユーザー様のニーズを分析して把握し、よりユーザビリティを向上させるべく準備を進めたいです」
今ではこうして頼もしい姿の青木ですが、ITANDI BBのプロジェクトが始動した2019年当時、彼はなんとまだ新卒1年目でした。実務経験のない、正真正銘の未経験者として入社してわずか半年で、開発責任者として抜てきされたのです。
もちろん、エンジニアとしての実務経験だけでなく、社会人経験も不動産業界の経験もなかった青木は、「不動産業者間サイトとは何か、というところから学ばなければならなかった」と当時を振り返ります。
「学ぶべきことは本当に多かったですね。まずは他の不動産業者間サイトを綿密に調べるところから始めました。不動産業者間サイトが備えるべき機能は何か、そしてそれらの仕様はどのようになっているか。たとえば検索機能一つをとっても、住所指定はどうやっているのか、駅の指定はどのようにしているのかなどの技術的な部分や、駅名がずらっと並んでいるのか、路線図が並んでいるのかなどのUI的な部分など、チェックすべきポイントがたくさんあります。ほかにも、どのような情報の優先度を高くしているかなども確認し、参考にしていました。
それから、内部的な事情ですが、『ITANDI BB』を開発するにあたって社内の2つのデータベースを連携する必要があり、そこも苦労しました。結果的に他のプロダクトにもよい効果をもたらすことができたので、長い目で見て、よい仕事ができたと思います」
『ITANDI BB』のリリース開発は業務委託の方と2名体制だったということですが、不動産業者間サイトという重要なプロダクトを任されるプレッシャーはなかったのでしょうか? そう問うと、「もはや、事の重大さすら理解していなかったので」と笑います。
「今思うと、新卒1年目の自分に『ITANDI BB』を任せたイタンジはいろんな意味ですごいなと(笑)。たしかにプロダクトマネジメントをやりたいという志向はあったのですが、まさか一年目でプロダクトをゼロから作るとは思っていなかったですね」
それにしても、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通サイトREINS(レインズ)を始め既存の不動産業者間サイトがすでに存在している中で、なぜ『ITANDI BB』は立ち上がったのでしょうか。
「きっかけになったのは、入居申込に利用される『申込受付くん』というプロダクトの成功です。多くの不動産仲介会社様が、既存の不動産業者間サイトで物件を探し、その後イタンジの『申込受付くん』で入居申し込みをおこなう、という業務フローが浸透してきていました。まだ入居申込サービスの種類が少ない時期だったこともあり、もしイタンジが入居申込サービスと統合した不動産業者間サイトを提供できれば、よりシームレスな不動産取引を実現できると思うに至ったんです」
こうして生まれたITANDI BBは、『ぶっかくん』『内見予約くん』『申込受付くん』を併せて利用していただくことで、不動産賃貸取引を、物件検索から申込まで一気通貫*でおこなえる唯一のプラットフォームとなりました。
*現在は『電子契約くん』『更新退去くん』も提供し、契約・更新・退去までをカバーしております。
ITANDI BBの仕組みが物件の鮮度を上げる
『ITANDI BB』の新規性は上記内容にとどまりません。
「既存ポータルサイトをめぐる、従来型のワークフローは、次のようになっていました。まず、オーナー(家主or物件の持ち主)様から物件の管理を任されたり自社で物件を管理したりしている “管理会社” が、物件情報をREINSをはじめとした不動産業者間サイトに登録します。管理会社様によって違いますが、週に1回物件情報を更新する、というように頻度を決めているケースが多いようです。そして、物件探しをしているお客様に物件を紹介することを業とする “仲介会社” が、不動産業者間サイトで見た物件情報を、一般のお客様が見ることのできる不動産ポータルサイトへ転載します。
ここで生じるのが、タイムラグの問題です。管理会社様も仲介会社様も、手動で物件情報を更新しているのですから、エンドユーザー(入居希望者)様が仲介会社様に問い合わせをした段階で、その物件情報はすでに最新のものではありません。
そこで、その物件が空室かどうかを、仲介会社が管理会社に電話で問い合わせて確認する必要があるのです。これが物件確認(ぶっかく)と呼ばれるものです。従来は、仲介会社様も管理会社様も、この “ぶっかく” に多くの時間を割かざるを得ませんでした。
『ITANDI BB』には、それらの負を一挙に解消できる仕組みがあります。なぜなら、物件データが『申込受付くん』と連動しているので、『ITANDI BB』を通して入居申込がされた場合、その物件の空室状況がリアルタイムに更新されるからです。もし別のルートで入居者が決まったとしても、管理会社様はすぐに『ITANDI BB』側のステータスを満室に更新してくださいます。それをしない間に他のエンドユーザー様から申込が入ってしまったら、一番困ってしまうのは管理会社様だからです。このように、『ITANDI BB』の仕組み自体が、物件情報の鮮度を上げることにつながっているというのは、とても革新的なことだと思っています。
『ITANDI BB』があれば、仲介会社様はぶっかくの手間がなくスムーズにエンドユーザーをご案内することができますし、エンドユーザーにとっても、オンライン上から申込を完結することができ、快適な物件探しを実現することができます」
目下の目標は、PV数を伸ばしていくこと。そのための近道はなく、よりよいサービスに育てていく努力を日々重ねていく必要があります。開発の難しさについて問うと、こんな答えが返ってきました。
「不動産取引にはいろいろなプレイヤーが関わり、それぞれに利害があるため、どのように優先順位をつけるか、何を大事にするかに頭を使います。たとえば、『ITANDI BB』には “番手” が表示される機能があります。番手というのは、ある物件への入居を希望したものの、すでに他の申込者がいる場合、自分が何番目の申込者かを示すものです。不動産賃貸取引では保証会社などが絡む都合上、申込をすれば必ず契約できるとは限らず、実際に契約が締結されるまでは補欠のような形で別の入居希望者も申込をすることが可能であるため、番手という概念が生まれるのです」
「番手が表示されるメリットとしては、たとえば自分が3番目の申込者(三番手)だとわかれば、まわってくる可能性は極めて低いと判断し、早々に他の物件を探し始めることが多いと思います。エンドユーザーと仲介会社にとっては、ぜひ知りたい情報と言えるでしょう。一方で管理会社様の立場だと、できれば伏せたいと思われていることもあります。さまざまな事情を考慮しましたが、当社は情報の透明性を重視しているため、番手はこだわりをもって表示するようにしています。
このように、機能を考えるうえで、あちらを立てればこちらが立たず…という難しい局面がしばしば起こります。そういうときは、総合的にサービスを見つめ直し、優先順位をどのようにつけるべきかを考え、チームでディスカッションし、最終的には強い意志をもって指揮をとっていくことが必要です。難しさであると同時に、それこそがPdMの腕の見せ所だと思いますし、楽しいと感じる部分でもあります」
『ITANDI BB』を、不動産賃貸取引のインフラへ
最近はユーザーのニーズにこたえる形で地図検索機能を追加するなど、着実に使い勝手のよさを追求しているITANDI BB。利用者数は今後も伸び続けることが予想されますが、イタンジの提供するサービス群で、不動産業界の未来はどうなっていくのでしょうか。
「イタンジもよいプロダクトを作り続けると思いますが、他社もどんどんよいものを作ってきます。お互いに、他社のプレッシャーがある中で改善を重ね、切磋琢磨していくことで、業界全体の技術や利便性が向上していくと思いますし、それこそがあるべき姿だと思います。業界構造上、今まではそれが難しかった。でも、そこに切り込んだのがイタンジで、他社も続いてきてくれています。そういう意味で、不動産業界はこれからがとても楽しみですね」
ITANDI BBをここまで育て、今では4人チームでマネジメントを担う立場の青木ですが、まだ新卒4年目の若手でもあります。個人としては、どのようなビジョンを描いているのか、尋ねてみました。
「あまり長い目では考えていません。経験則上、目の前のことに打ち込んでいると、自然とチャンスが舞い込んでくることが多かったので。今は、不動産業者間サイトに関してはかなり知見をもっているほうだと思いますし、そんな自分だからこそ出せるアイディアも多いと思うので、しばらくはまだITANDI BBに打ち込んでいけたらと思っています。今見えているものだけでも、全部作ったら2〜3年はかかると思います。まだまだ構想は膨らむばかりです」
誰もが、青木のように活躍できたら…と思うものですが、青木自身はそうした人材になるために日頃から心がけていることや習慣にしていることはあるのでしょうか。
「一つのことに対しての思考量が、相対的に多いのではないかと思います。たとえば、『仕様をこういうふうにしてほしい』という要望があったときに、技術的にどう実現するかだけを考えるのではなく、それをやることで本当にITANDI BBは伸びるのか、それが本当に最適解なのか、というふうに俯瞰した目線で考える習慣があります。常に未来を意識して、伸び代を考えるんです。
あとは、よくも悪くもオン・オフの境界線があまりないことも自分の特徴ではないでしょうか。先日、プライベートで使っているサービスを開いたときに、新機能の紹介がポップアップしてきて。それだけかと思ったら、UIの中でも新機能の箇所に『New』という表示があるんですよね。すごく自然に新機能の存在を訴求していて、勉強になりました。仕事中かそうでないかにかかわらず、ふとしたときにもプロダクトのことを考えていますね。自分にとっては、それがシンプルにおもしろいんです」
「天職に出会った」という表現が、青木にはぴったりかもしれません。未経験の新卒としてGA technologiesグループ、そしてイタンジへ飛び込み、この4年間で青木が業界にもたらしたインパクトを誰が想像できたでしょうか。ここに詳細を書けなかった部分も含め、青木の脳内にはまだまだこれから実現したい構想があふれています。今後も折々で紹介させていただけたらと思っております。
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